
日仏教育学会
Societé franco-japonaise des Sciences de l’Éducation
大会情報
日仏教育学会2025年度研究大会
※「研究大会プログラム」は、現在準備中です。
※「事前登録(参加申込み)」は、受け付け開始次第お伝えします。
2025年度の研究大会は、立命館大学(京都の衣笠キャンパス)を開催校として 2025 年 11月 16 日(日) に開催することになりました。
今回の研究大会では、「初等・中等教育におけるコンピテンシー・ベースの教育の功罪」をテーマとして、公開シンポジウムを行います。日本では2017年・2018年の学習指導要領より、各教科の知識の伝達よりも、知識を活用して実践する資質・能力(コンピテンシー)の育成に重点が置かれるようになりました。フランスでも、義務教育段階のすべての生徒が身につけなければならない共通基礎が2006年に定められたことをきっかけとして、コンピテンシーの育成・評価が初等・中等教育で重視されるようになってきています。それから一定期間がたった今、コンピテンシー・ベースの教育にはどのような利点と問題点が見られるのでしょうか。
この問題に迫るために、フランスからピエール・クレマン准教授(ルーアン大学)、日本から天笠茂名誉教授(千葉大学)を招聘します。クレマン氏は、共通基礎の制定過程について博士論文を執筆され、フランスにおけるコンピテンシーの内実やコンピテンシーをめぐる議論に精通されています。天笠氏は、主にカリキュラム・マネジメントの側面から、コンピテンシー・ベースの指導や評価の研究をされてきました。「中央教育審議会・初等中等教育分科会・教育課程部会」などの政府の委員を歴任されており、政策の視点からもコンピテンシー・ベースの教育を検討されてきました。その上、学校現場とのつながりが強く、コンピテンシー・ベースの教育の実際についてもよくご存じです。そして、コンピテンシー・ベースの教育について詳しい京免徹雄会員(筑波大学)に指定討論として議論をまとめていただきます。
今回のシンポジウムでは、共通の論点として、次の四つを設けています。①OECDなどの国際機関のコンピテンシーが学校教育にどのように受容されたのか。②小学校・中学校・高校普通科という学校段階によって、コンピテンシー・ベースの教育の実施状況は異なるのか。③教科によって、コンピテンシー・ベースの教育の実施状況は異なるのか、④コンピテンシー・ベースの教育は学校教育の制度・実践をどのように変えたのか。ご登壇いただくお二人には、それぞれの国について、主にこの4点についてお話いただきます。
日本ではまもなく(2027年度?)次の学習指導要領が出されます。参加者それぞれのお立場からコンピテンシー・ベースの教育の功罪について考えていただき、各自のご研究や実践に活かしていただくために、ペア討論や全体討論と、議論の時間を十分にとる予定です。
なお、大会参加費は会員3000円(ただし学生の会員は2000円)とします。午前に10時から自由研究発表を行い、午後にシンポジウムと総会を行います。お昼は食堂や購買が空いていないのでお弁当の注文をとります。シンポジウムは通訳を準備し、一般公開で実施します(非会員は無料)。総会の後は情報交換会を行います(会費6,000円、ただし学生は3,000円の予定)。みなさまの交流とさらなるディスカッションの場となればと存じます。
また、紅葉シーズンのため、京都市の宿泊施設の混雑が予想されますことから、お早めに宿泊施設をご予約されることをお勧めします。大学の近くには宿泊施設はあまりありませんので、京都駅や四条駅の近くが便利です。京都市内での宿泊予約が困難な場合は、京都府亀岡市(立命館大学最寄りの円町駅までJRで18分)、滋賀県大津市(同27分)、滋賀県草津市(同40分)、大阪府高槻市(同35分)にも宿泊施設が多数ありますのでご利用ください。
それでは、みなさまに研究大会でお会いできることを楽しみにしております。